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道州制についての中間報告

総務省の私的懇談会である「道州制ビジョン懇談会」が中間報告をとりまとめて総務相に提出したとのこと。以下、読売の記事です。

増田総務相の私的懇談会「道州制ビジョン懇談会」(座長・江口克彦PHP総合研究所社長)は24日、中間報告を取りまとめ、総務相に提出した。

国と道州、基礎自治体の役割分担を明確に規定した上で、2011年までに「道州制基本法」(仮称)を制定し、18年までに道州制に完全移行するよう提言した。

焦点だった道州の区割りと税財政制度については、専門委員会を設置して検討するとし、09年度中にまとめる最終報告に結論を先送りした。

中間報告では、「中央集権体制が日本を衰退させている」と分析、各地域が繁栄の拠点として活力を回復できる新しい体制整備が必要だとした。中央政府の権限を限定し、地域で生活や地域振興を独自決定できるよう「地域主権型道州制」への転換により、道州間の「善政競争」が促進され、日本全体に活気がよみがえるとしている。

具体的には、国の役割は外交や大規模災害対策など16項目を基本とし、道州は広域の公共事業や市町村間の財政格差の調整などを行う。福祉、教育、都市計画など身近な行政サービスは基礎自治体が実施。国と道州間の行財政の調整は「国・道州連絡協議会」(仮称)が担うとした。道州の組織面では「広範な自主立法権を持つ1院制議会」を設置、首長、議員は直接選挙で選ぶ。課税自主権を与え、道州債の発行も可能とする。道州制移行は全国一律が望ましいとし、基本法制定後、首相を長とする「道州制諮問会議」(仮称)を設置するとした。

この懇談会のサイトでこれまでの議事録が公開されています。そのうち目を通しましょう。国と道州政府との権限の画定が焦点になるのでしょうが、中央官僚の猛攻が予想されます。わたしは分権論者ですのでこの動きが失速しないことを願っています。

政界のキーマンでは麻生氏が少し前にVoiceに道州制についての未来のヴィジョンを論じています。なかなか痛快なヴィジョンにみえてくるのがたいしたものです。ちなみに左派からは民族主義者のレッテルをはられがちですが、そのプレゼン能力と卓越した交渉力を買っているわたしとしては残念なことだなと思っています。閣下、くれぐれも失言にご注意ください。

日本自由主義界の雄、石橋湛山の言葉を引用しておきます。普通のことを言っているだけなのでなにも湛山の権威を借りることもないのですが、言っていることが今とあんまり変わらないなあという感想です。第二維新ですか、そう思うと夢が膨らもうではないですか。

元来、我が行政組織は、維新革命の勝利者が、いわゆる官僚政治の形において、新社会制度の下において、国民を指導誘掖する建て前の上に発達し来ったものである。であるから、役人畑に育て上げられた官僚が、国民の支配者として、国民の指導者として、国運進退の一切の責任を荷なうという制度に、自然ならざるを得なかった。これ、我が政治が国民の政治でなくて官僚の政治であり、我が役人が国民の公僕でなくて国民の支配者である所以であり、我が行政制度が世界に稀な中央集権主義であり、画一主義的である根因である。

[...]
元来官僚が国民を指導するというが如きは、革命時代の一時的変態に過ぎない。国民一般が一人前に発達したる後においては、政治は必然に国民によって行なわるべきであり、役人は国民の公僕に帰るべきである。而して、政治が国民自らの手に帰するとは、一はかくして最もよくその要求を達成し得る政治を行い、一はかくして最もよくその政治を監督し得る意味にほかならない。このためには、政治は出来るだけ地方分権でならなくてはならぬ。出来るだけその地方の要求に応じ得るものでなくてはならぬ。現に活社会に敏腕を振いつつある最も優秀の人材を自由に行政の中心に立たしめ得る制度でなくてはならぬ。ここに勢い、これまでの官僚的制度につきものの中央集権、画一主義、官僚万能主義(特に文官任用令の如き)というが如き行政制度は、根本的改革の必要に迫られざるを得ない。

[...]
今や我が国はあらゆる方面に行詰まってきた。而してこの局面を打開して、再び我が国の国運の進退を図るためには、我輩がこれまで繰り返し言える如く、いわゆる第二維新を必要とする。而していわゆる第二維新のため、就中この際最も必要なることは、国民の聡明と努力とを組織化して、最も有効にこれを利用することである。

[...]
古き革袋に新しき酒は盛られない。我が現在の息詰まりを打開する第二維新の第一歩は、政治の中央集権、画一主義、官僚主義を破殻して、徹底せる分権主義を採用することである。この主義の下に行政の一大改革を行うことである。
「行政改革の根本主義 中央集権から分権主義へ」(大正13年9月6日号東洋経済新報社説)

PS 毎日の記事が道州制論議の見取り図を提供してくれます。これによると現在の焦点は「区割り」で、道州制ビジョン懇談会は2年以内に結論を出すということで問題を先送りしたそうです。他に自民党の調査会の案や経団連の案など様々な構想がせめぎあっていて混沌とした状況である模様。

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