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今後の政局の行方

どうやら日本は政治的停滞の時期に入ったらしいというのが国内的にも国際的にも共通了解になりつつあるわけですが、今後の日本政治の政局の行方についてアマチュア的な視点からぼんやりと想像してみます。シナリオとしては3つほどあり得るだろうと思われます。

シナリオ1. 大連立
シナリオ2. ねじれたままの共存
シナリオ3. 政界再編

このうち第一の大連立構想はしばらく前の小沢党首の奇異な行動によって表面化しましたが、おそらくは保守老人たち(フィクサーたち)が思い描いているシナリオと思われます。難局に当たって「挙国一致の姿勢」で臨むのだということですが、選挙区制度と根本的に矛盾しているという問題があります。比例代表制を敷いている多党制の国であればともかく(ドイツの大連立を例に出す人が多いですが)小選挙区制度を導入して本格的な2大政党制へと向かっている我が国の現在の政治情勢に鑑みてこれは採用すべきシナリオとは思われません。具体的な場面を想像すれば、各選挙区で自民候補と民主候補が立ってどちらがいいのか考えろという時に大連立というのではどちらに投票すべきか有権者を混乱させるだけではないかということです。小沢氏の先だっての不透明な行動が巷間ささやかれているように朝鮮半島有事をにらんだ集団的自衛権がらみの緊急措置(=解釈改憲)ということであれば了解可能ですが、それが真実だとしてもあくまでも一時的な措置であろうし、仮に実現したとしてもこの大連立が長く続くことはないでしょう。

2番目のねじれたままの共存ということですが、少なくとも2013年頃までは参議院での野党の優越的な地位は確定していますから、衆院と参院の間で国会運営についてルールづくりを進めていき、ねじれ状態を解消することなく立法府の機能を向上させていくというシナリオです。他の民主主義国を見渡してもねじれ現象それじたいはそれほど珍しいことではなく(アメリカであれオーストラリアであれ)、成熟した民主主義国であれば、こうしたシナリオを歩むものと想像されます。可能性としては一番高そうに思えますが、内外に政治的停滞の印象を与えざるを得ないでしょう。問題はこうした事態を想定していなかった日本の憲法学者たちの責任であります。いったい何をしていたのか。換言するならば、参議院(=元老院)とはそもそもなんなのかという問題です。もはや貴族院としての性格を失った結果、庶民院がふたつあるという日本の現状をどう理解すべきなのか真剣に考えなくてはならないでしょう。国会改革が急務である所以であります。

そして最後のシナリオとして政界再編があります。わたし自身の中の理想的な部分がこの選択肢を選ぶよう急かしているのを感じますが、もう自民にせよ民主にせよ政党としてどうなのよというのは誰しも思うところでありましょう。歴史の教科書に書いてあるように、現在の自民党はそもそも自由党と民主党、戦前で言えば政友会と民政党の二つの政党が合同したことによって成立した政党であり、最初から相容れない諸潮流の寄り合い所帯に過ぎません。自民党をヌエ的と形容するのはクリシェでありますが、およそ近代政党とは呼べない(共産党と公明党を見よ!哀しいけれどこれだけが近代政党)、選挙の互助会のような組織です。民主党も同様に田中派の元自民党議員(民政党の流れになるんでしょうか)と社会党右派の寄り合い所帯に過ぎない、つまり55年体制そのものをひとつの党として体現したような政党なわけです。ちなみに社会党右派とはなんなのかというのは日本政治史を考える上で興味深いテーマだと思いますが、それはともかく、松下政経塾出身の青年トルコ派を除けば、民主党にさほどの新しさはない。このどっちもどっちの政党のどちらかを選べというのは有権者にとってもしんどい選択であることはみなさん選挙のたびに実感されていることでありましょう。これではパンツで言えば、黒と赤のストライプのトランクスと赤と白のストライプのトランクスのどっち、みたいな話であります。そんなテレビ番組ありましたね。

というわけでもうここでざっくりと政策志向に基づいて分かりやすくクラス替えしたらという衝動が湧いてくるわけですが、この複雑化した社会にあってなにを政策志向の対立の軸にしたらいいのかというのは本当に難しい。良くも悪くも実利的で誰とでもつるんでしまえる我らがリーダーたちにここだけは譲れないという一点はあるのか。統治のあり方なのか(中央集権VS地方分権)、経済なのか(規制緩和VS格差是正)、外交なのか(親欧米VSアジア主義)、社会なのか(個人主義VS共同体主義)などなど。政治思想的には保守主義と自由主義と社民主義の3流派が現在の政界に存在しているとは思うのですが、問題は一人の議員さんの中に、そしてわれわれの中にこうした志向性が矛盾したまま共存していることにあります。「イデオロギー的多神教」などと言われる所以であります。どうも西洋人のように(雑な言い方ですいません)収斂し先鋭化しない。皇室あたりが唯一の対立軸になるのかなという気もしてきますが、個人的には政争のネタにはしていただきたくない。というあたりで政界再編の軸もあまり見えてこない。小泉一派と民主党若手(=自由主義的?)対社会党右派と保守主義(=国家主義的?)になるのかなあなどとは思いますが。。。

この3つのシナリオのどれになるにせよ、わたしが願うのは新55年体制のようなことにならずに政権交代がスムーズに行われることで各機関の間でチェックアンドバランスがちゃんと効き、透明性と説明責任が明瞭になること、ただこの1点だけです。このささやかな希望が実現することを祈念しつつこのエントリーを終えたいと思います。特にオチはありません。

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