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OECD勧告(3) 金融政策

金融政策について日銀への勧告の部分です。

新しい金融政策の下でデフレを解消すること
成長率の減速、経済見通しの不確実性の増大、継続するデフレを考えると、2007年2月以降日本銀行が短期政策金利を0.5%に据え置いているのは賢明だ。2006 年に導入した新たな金融政策の枠組みの下で、日銀は物価安定下で持続的成長を実現するために政策金利の水準を設定している。この枠組みの一環として、日銀政策委員会は0〜2%が中長期的な物価安定の理解であると公表したが、これはインフレ率の幅を明示した最初の試みだ。さらに長期的に経済活動と物価に大きく影響を与えるかもしれないリスク要因も検討している。

日本の金利水準
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出所: OECD, Analytical Database and Bank of Japan

インフレ率がはっきりポジティブになり、デフレ再来のリスクが無視できるようになるまで、日本銀行は短期政策金利を引き上げるべきでない。2008年度の消費者物価指数上昇率0.4%という日銀の見通しは、インフレ率が常に予測を下回ってきたことを考えるならば、利上げを正当化するには不十分な水準だ。インフレ率がはっきりゼロ以上になるまで利上げを待つことは景気拡大を支え、ネガティブショックで日本経済が再びデフレに陥るリスクを低減するだろう。下限0%はデフレに近すぎ不安なので、デフレに対する十分なバッファーを設定するため、日銀政策委員会は物価安定の理解を再考し、インフレ幅の下限を引き上げるべきだ。政策委員会委員による物価安定の理解の公表は金融政策の透明性を高めたが、インフレ幅が毎年見直されるという事実が中期的な市場における期待形成に対する指針として有用でなくしている。金融政策の舵取りには経済成長とインフレに影響を与える財政再建の進展も考慮されるべきだ。

日銀政策委員会委員の予測(2007年)
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出所: Bank of Japan

以上、正論だと思います。文中の「物価安定の理解」は日銀が示したインフレターゲットもどきのことですが、0〜2%という極端に低い水準を見直すように勧告しています。1.5〜3%ぐらいが妥当な気がしますが、どうでしょう。また消費者物価指数上昇率0.4%という数字もあやういもので、完全にデフレが解消するまで利上げはするなと明記しています。これは前年度版でも同様な勧告だったと思いますが、こんな明快な勧告になぜ日銀は耳を貸そうとしないのでしょうか。別に派手なリフレ政策をとれと言っているわけでもないのに。

PS IMFも世界的な景気後退の懸念の中で早まるなと警告しているようです。なお今回いろいろな意見を目にしてどうも日銀に対して抱いていたイメージは修正しないといけないような気がしてきました。しかしどうしてこんなに不透明なのでしょう。

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