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スペイン・バブルの崩壊

さて欧州天気予報で豪雨になっているもうひとつの国であるスペインですが、こちらはアイルランドよりもさらに険しい状況のようです。あんなに景気よくて陽気だったのに。なんとも諸行無常です。

まず、4月4日付のFTの「スペイン経済はハードランディングに向かう」という記事。製造業とサービス業の調査結果からハードランディングになることが予想されています。第一四半期の新規受注の落ち込みと内需の冷え込み、増大するコストなどが明らかとなり、不動産バブル崩壊が製造業やサービス業にまで影響を与えているという調査結果です。この14年間の経済ブームを主導したのが建設でしたが、その突然の落ち込みで経済活動の巨大な空白が生み出されているとのこと。

欧州で最も高いパフォーマンスを誇ったスペインのこの急落はユーロ圏の15カ国全体のパフォーマンスをも引き下げるものと予想されています。BNPパリバのブリアン氏によると、2008年の第一四半期に成長率は0.2から0.3%まで落ち込む模様(2007年の第四四半期0.8%)。現在のところ融資に関するデータはないが、急激に金融収縮が生じていると考えられています。スペインの銀行は国内の融資活動のために国際資本市場に過度に依存しているため、この収縮が金融システムへの深刻な「供給ショック」となってきたと言われます。

同じくFTの4月8日付の記事「スペインは不動産暴落後の再建を目指す」によると、サパテロ首相が火曜に経済の復活のための緊急措置を約束しましたが、その内容は高速鉄道網など政府のインフラ計画の加速化、国家の補助する住宅計画の推進、モーゲージの証券化に対する政府の保証の拡大など。首相は世界的な金融市場の混乱がスペインに影響を与えていることを認め、「経済減速の時期に現実主義的に向き合わなければならない」と述べましたが、首相の提示した措置は選挙の際の社会党のマニフェストの内容だけで新味がないと失望感が広がっている模様です。

現在国際的な金融収縮と国内の不動産バブルの崩壊とのダブルパンチに苦しむスペインですが、このままモーゲージの証券化が進まない場合、1%にまで成長は落込み、失業率も劇的に上昇することが予測されています。上の記事でも言及されていましたが、もはや国際資本市場が見放した建設業者や不動産業者のファイナンスはスペイン銀行が対応しており、このことがかつて成長の原動力であった建設セクターの危機を加速している、さらにこの建設セクターの落ち込みが製造業やサービス業といった他のセクターにも影響しているとのこと。先のザパテロのインフラ計画の加速化の約束ですが、建設ブームの最高潮の時期にはGDPの9パーセントを占めた民間部門の住宅投資の代替にはとてもなれないとエコノミストは悲観的な見通しを述べているそうです。

というようにどうもサパテロ政権の政策ではとても有効に対処できないという予測が広がっているようです。EUとして救済案みたいなものはあるのでしょうか。失業率も上昇し、移民問題にも火がつくのではという暗い見通しもあるようです。ともかく負けるなスペイン。

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