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ベルルスコーニ吠える

欧州各国の金融危機に対する意識調査の結果をFTが記事にしています。これによるとイタリアとスペインが他に比べてクレジット・クランチの影響を感じている一方で、この危機に対応する政府の能力への信頼が最も高いことが判ったそうです。このFTの調査によれば、日常生活で金融危機の「強い影響」を感じる人はイタリアで22%、スペインで16%で多い一方、政府の能力を信用しない人はイタリアが43%、スペインが36%で調査対象諸国の中で少ないことが判明しました。一方、首相ゴードン・ブラウンの人気が低迷し続けるイギリスでは政府の能力への信頼が最も低いという結果になっていますが、特に理由として挙げられているのが税金の高さだそうです。

こう言ってはなんですが、ブラウンの能力はともかくとして、イギリスはなんとかこの危機をハンドリングできるような気がするのですが、欧州天気予報で雷雨のスペインと豪雨のイタリアの国民の多くが自国政府の能力を信頼しているのはなにか不思議な感じがします。スペイン・バブルの崩壊は移民問題に火をつけるかもしれないという予想はどうやら本当のことになりつつあるようですし、ベルルスコーニがイタリア経済を大胆に改革するだろうという楽観的予想をしているエコノミストは寡聞にして知らないのですが。。。でもなんかいいですよね、過度に悲観的な国から見ると。景気は気からと申しますし。

イタリアの選挙関連のニュースは日本語ソースでも出てますが、大方の予想通りベルルスコーニの優勢のようです。わたしが興味を持ったのはやはり同じFTの「ベルルスコーニが欧州中銀に怒りをぶつける」という記事です。ネオフォシストの同盟者が2万人の移民を追放するぞと公約を叫ぶ一方で、中道左派陣営を共産主義の嘘つきめが、と罵るという相変わらずのキャラクターですが、それはともかく、経済関係では、アリタリア航空の買収への反対を訴えるなど国家主義的な方向へ梶を切るそぶりを見せています。またユーロ高の進行に触れて「欧州中央銀行の金利政策がなにかおかしいのは明らかだ」とインタビューで述べている模様。「我々は政治家の首位性を取り戻さなければならない。4億の欧州人の運命を決するのが銀行屋というのは解せない話だ」とのこと。またベルルスコーニ政権の前財務大臣トレモンティ氏は「希望と恐怖」という近著に対する国家主義、保護主義という非難を拒否して、「可能なら市場、必要なら国家、ルールにもとづく貿易対ルールにもとづかない自由貿易」というのが自分の意見の要約だとFTに対して述べています。むー、これでどうやって政府を信じられるのでしょうか。リラを復活して伝統芸の通貨切り下げでもできればいいのですがねぇ。やっぱりユーロ加盟で得られるメリットがよく分からないです。

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