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対中感情悪化中

欧州5カ国でのFTの世論調査によると、世界の安定にとっての最大の脅威として中国がアメリカを追い抜いたそうです。中国製品との競争に加えて、このたびのチベットの騒乱が世論を劇的に硬化させる結果となり、中国を脅威とみなす人の数は昨年に比べて2倍に跳ね上がったとのことです。記事によれば、この調査はチベット騒乱の直後のオリンピックの聖火リレーが行われている最中になされたものですが、すでに欧州連合と中国との間には貿易問題や為替レートをめぐって緊張が拡大しているところでした。

イタリアがもっとも中国を懸念している人が多く、昨年の26%から47%に増加。イタリアの反応は中国の製造業者との競争への怒りから来ている、とローマのシンクタンクの研究員は分析しています。「中国はグローバリゼーションへのイタリア人の反感の象徴になっている」。フランスは22%から36%、ドイツは18%から35%、イギリスは16%から27%へと増加したとのことです。なおスペインだけがなおアメリカを最大の脅威としている人が多いそうです。「ここ5年間のストーリーは経済的チャンスに関連したものだったが、ここ6ヶ月はダルフールとチベットでの脅威に関わるものだった」、中国について知っていることはニュースに限られている一方で、アメリカの大衆文化はいつも消費しているからだろうと欧州外交評議会のマーク・レオナード氏は分析しています。

一方、パリの聖火リレーの妨害の際に襲われた車いすの障害者の女性アスリートが中国ではすっかり国民的悲劇の象徴となり、インターネットを中心にフランス製品不買運動が盛り上がっていることは日本のメディアも報じていますが、これに中国の大手メディアものる形でフランス批判を強めている模様です。ル・モンド記事が「憤青」の解説つきで中国の状況を報じています。「カルフールで買うのはもう止めだ!ここの経営者の一人はダライ・ラマに寄付をしていた。オリンピックが終わるまで130日間はカルフールをボイコットせよ!やつらにインターネットの力を見せてやれ!このメッセージをすべての愛国者に送ってくれ!」というメッセージが上海では大量に流通しているそうです。またLVMHとロレアルへの不買運動の呼びかけメッセージもSMSを駆け巡っているとのこと。また中国の若い女性が北京のカルフールの近くで抗議している「パリへの抗議」というビデオも出回っているそうです。ここで記事は2005年に反日デモと日本製品への不買運動が広がったことに言及しています。

チベット人と思しき青年が聖火を奪おうとしたのを必死で守り抜いた車いすのアスリートのビデオが人気を博しているそうですが、新華社やその他のメディアがこの写真を掲載して、フランス批判の社説を掲げている模様です。フランス・メディアはパリは自由な都市で、誰もが集会をしたり、デモをする権利をもつなどと言い張っているが、聖火走者を襲った過激派の行動は合法ではないし、非暴力的でもない、中国国民は過激派が無防備の障害者の若い中国人女性から聖火を奪おうとするシーンに深く傷ついている、これがフランス政府の文明的振る舞いなのか、法治の国とはいうが、リポーターもジャーナリストも法律家も善悪を判断する能力を失ってしまったようだ、といった調子だそうです。ちなみにここしばらくの中国関連の記事のコメント欄で中国人とフランス人のバトルになっているのをよく見かけます。この記事のコメント欄も激しいなあ、おい、そこの憤青、それじゃ逆効果だよ、といっても聞こえないんだよなあ、いや関係ないから、この件で日本を巻き込むなって。ふう。英語の掲示板なんかに現れる日本のネトウヨのみなさんも学習してくださいね、こんな風にしか見えないんですから。

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欧州情勢」カテゴリの記事

コメント

http://biglizards.net/blog/archives/2008/04/forget_it_its_c.html
身障者云々というのは↑かな?
フランス人の人喜ぶかもしれませんね。

投稿: 空 | 2008年4月16日 (水) 19時08分

コメント欄で既に日本語のできるフランス人が日本語版大紀元の検証ページにリンクしてやらせだ!と主張していますね。世界は狭い。

我々には直接は関係ないバトルですが、世論の批判が対中武器輸出問題に影響してくれることを密かに希望しています。

投稿: mozu | 2008年4月16日 (水) 19時35分

「若い」「女性」「障害者」とそろった時点で、
う~ん怪しい、自作自演だろ?(笑)と思った私は暗黒面に落ちているでしょうか?
しかしやらせという証拠がはっきりでてきましたね…
この記事は、フランス本国には伝わっているんでしょうか。
気になります。

投稿: | 2008年4月16日 (水) 23時01分

>この記事は、フランス本国には伝わっているんでしょうか。
ネットでしか見たことないですね。知っている限りでは大手メディアはとりあげていないです。裏がとりにくそうですからね。新聞は左翼のリベラシオンが強硬な批判、中道左派のル・モンドが批判と冷静な分析でバランスをとり、中道右派のフィガロは批判的だがなんだかあいまいという感じでしょうか。テレビや雑誌はともかく中国やべーという感じみたいですね。

投稿: mozu | 2008年4月17日 (木) 00時53分

L'expressになんとカカシさんの英語ブログが紹介されていますね。むー、世界は狭い。
http://www.lexpress.fr/info/quotidien/actu.asp?id=470044

投稿: mozu | 2008年4月18日 (金) 04時42分

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