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GDP速報値

2008年の第1四半期のGDP速報値が出ました。PDF参照。調査機関の予測を裏切って(一部で予想されていたように)実質GDP成長率は0.8%(年率で3.3%)、名目GDP成長率は0.4%(年率で1.5%)となかなかの数字でした。これに一喜一憂するのは無意味でありますが、希望がもてそうなのは消費の動きの底堅さ、それから落ち込んでいた民間住宅投資が回復してきた部分でしょう。あの新建築基準法の混乱さえなければ、2007年のGDP成長率はもっとよかったわけで、今更ながらなにをやっているのだと言いたくなります。問題のGDPデフレーターですが、マイナス1.4%でわずかに拡大しています。しかし外需要因を除く国内需要デフレーター(0.5%)と民間最終消費デフレーター(0.3%)のプラス幅が拡大していることから言って、これは外需要因、食料品等の高騰を受けたものと考えられます。ここの評価が難しいところですね。

FTの「日本が驚くべき成長を見せる」[FT]はこれを予想外の上昇としつつも、後半でエコノミストの慎重な意見を紹介しています。曰く、原材料とエネルギー価格の上昇が消費者と企業にのしかかり、このコストゆえの物価上昇から今後の2四半期の見通しはあまり明るくない。 Barclays CapitalのエコノミストのKyohei Morita氏によれば、CPIの上昇とGDPデフレーターのマイナス幅拡大は今後2四半期のスタグフレーションにつがなる可能性を示しているそうであります。また中国や中東などの新興市場への輸出がアメリカの減速の影響を補っているが、2月、3月の貿易統計は今後の輸出の減速を示していると。0.5%の内需の伸びは閏年効果であるとMorita氏が説明していますが、最後に民間住宅投資の伸びで0.1%の成長に貢献したと締めています。まあそんなものかなという気がしますが、結局のところ、内需に火がつくまで中国当局がんばれということでしょうか。ところで閏年効果ってどれぐらいあるんでしょう。

ちなみに欧州主要国の第1四半期のGDP速報値も予想外によかったです。まず世界を驚かせたドイツの成長率でありますが、「ドイツの成長がユーロ圏に拍車をかける」[FT]によれば、ここ12年で最高の1.5%という劇的な数字をたたきだしたそうであります。この成長ですが、暖冬の影響が建設業界の成長に貢献したとか失業率の低下が消費を押し上げたとかいった理由の他は、大部分は投資活動によるものだといいます。これがユーロ圏15カ国の成長率を0.7%にまで押し上げたというわけでドイツ様様であります。ユーロ圏はアングロサクソン世界の減速からのデカップリングに成功したと浮かれたコメントも出ていますが、第2四半期はこれほど華々しくないだろうという見通しのようです。最後にこの結果はECBの金利据え置きにつながるだろうとされています。

また「輸出の上昇がフランスのGDPを押し上げる」[FT]によれば、フランスの成長率は予想外に高く0.6%だったそうで、これに先立つ2四半期の0.3%の成長率から倍増したそうです。これは主として輸出の増加によるものと説明されています。また昨年のGDP成長率も1.9%から2.1%に上方修正されたとのこと。一方で2007年の財政赤字は2.7%のままでこれが循環的なものではなく構造的なものであることが示されたといいます。ラガルド財務相は大喜びのコメントを出しているようですが、エコノミストによれば、物価上昇と購買力の停滞が予想され、今後は減速する可能性が高いそうであります。まあ似たような感じであります。なお独仏はよかったわけですが、スペインは予想通り惨憺たる結果になっているようですね。

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