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自衛隊がねぇ

なんだか隔世の感のあるニュースですね。大陸、半島に我らが自衛隊が上陸する状況というのは現実感をもって想像できなかったのですが。かすかな胸騒ぎのようなものを感じます。とりわけご年配の世代の方々の複雑な心中は察して余りあります。

自衛隊機派遣で日中両国が協議、民間機との組み合わせ案も[読売]

中国が四川大地震の被災者対策として、テントなど緊急支援物資の輸送を求めていることを受け、日本政府は航空自衛隊派遣などの準備を進めている。

防衛省は29日、C130輸送機3機による輸送計画をまとめた。ただ、中国には自衛隊派遣に反発する声も根強く、日中両政府は慎重に検討を進めている。

輸送計画は、3機のC130が3日間で計8往復し、四川省成都に陸上自衛隊や兵庫県などのテント計約200張り、毛布約3600枚、食料などを運ぶ内容だ。31日に派遣できるよう準備している。

一方、中国政府が自衛隊機を敬遠した場合に備え、C130と民間のチャーター機を組み合わせる案なども検討している。
(5月29日)

まだ協議中ですが、どうもこのプランは実現しそうな様子です。あちらさんでも人民解放軍の強硬派あたりはかなり不満でしょう。どう反響するのでしょうかね。またJapan observingにあるように、この救援要請は日本の左右のイデオロギー的な勢力を困惑させているようです。国家威信にかけて自衛隊の海外での活動の拡大を求めてきた反中的な勢力にとっては「まさか中国の救援をするとは」でしょうし、大陸への贖罪意識から逃れられず、非現実的な平和主義を唱えたきた親中的な勢力は「まさか中国から要請がくるとは」という気持ちでしょう。さっそく社民党が支離滅裂な反対をしていましたね。災害救助活動や人道復興支援はソフトパワーの面から言って軍にとって重要な活動だと思いますよ。どん底からスタートした自衛隊が日本国民の間で信頼を勝ち得てきたのはこの分野での貢献(怪獣や異星人との仮想的な戦いも含めて)が大きかったわけですし。

どうなるのか判りませんが、私としてはこのプランは支持したいです。自衛隊が大陸の土を踏む─輸送機が降下するだけかもしれませんが─というのは、あちらの反応は別にしても、我が国の国民心理にとってもひとつの転換点になり得るかもしれないですから。どういう意味での転換なのかはなかなか説明し難いのですが、大陸は戦後日本にとっても多かれ少なかれトラウマ的な土地であった訳でそこに自衛隊が降り立つことでより現実的な地平が開けてくるといいますか・・・、いや単純化し過ぎでしょうかね。なお「日中友好」みたいな陽気なお題目を素朴に信じている訳ではありませんが、疑心暗鬼が高進し過ぎないようにこうしたコミュニケーション履歴を重ねて行く必要はあるでしょう。

地方分権ネタはしばらくとり上げていませんでしたが、継続して追いかけています。道州制の議論の続報です。

行革推進の700人委員会、道州制導入を提言[読売]

有識者でつくる「日本再建のため行革を推進する700人委員会」の代表世話人を務める塩川正十郎・元財務相、水野清・元総務庁長官と、同委の道州制導入研究会の石原信雄座長(元官房副長官)らが26日、増田総務相に道州制の提言書を手渡した。

水野、石原両氏は記者会見し、「日本の統治構造を全面的に変えるために道州制導入が必要。2018年をメドに道州制を導入すべきだ」と強調した。総務相は提言に賛意を示したという。
[...]
 石原氏は、「行政改革の総仕上げとして、道州制導入を提言した。我々の言う道州は国内行政の大半を担当し完全な地方自治体とする。国の出先機関との位置づけは一切ない」と主張した。
(2008年5月26日)

こちらは有識者による行革推進のための700人委員会が道州制案を提出したというニュースです。最近行った会議の報告のPDFがありました。骨子ですのであまり踏み込んだ記述がないですね。行財政改革としての道州制というトーンが強いですが、区割りの問題と地方財政の基盤をどう考えているのかはこれだけだとよく判りませんね。

自民、道州制区割りで4案まとめる…分割数は9と11[読売]

自民党の道州制推進本部(本部長・谷垣政調会長)は29日、道州制の区割りに関し、9ブロックに分ける案と11ブロックに分ける3案の計4案をまとめた。

これらを基に道州制議論を進める考えで、6月には全国の知事や都道府県議会議長と意見交換する予定だ。

9道州案は、北海道、東北、北関東、南関東、中部、関西、中国・四国、九州、沖縄にブロックを分けている。このうち、中部を北陸と東海に、中国・四国を中国と四国に分割したのが11道州案だ。

11道州案は、新潟県を北関東と東北のどちらに入れるか、埼玉県を南関東と北関東のどちらに入れるかにより、3案に分けている。

いずれも、北海道と沖縄県は単独の道州としているのが特徴だ。東京都は南関東に入れているが、「道州から独立させるべきだ」という意見もあり、さらに議論を詰める予定だ。
[...]
政府は道州制について、増田総務相(道州制担当)の私的懇談会「道州制ビジョン懇談会」(座長・江口克彦PHP総合研究所社長)で検討を進めている。しかし、3月にまとめた中間報告では、区割りや税財政制度を先送りにするなど、議論は深まっていない。
(2008年5月29日)

政府の中間報告は区割り議論を回避しましたが、自民党案はいくつかの案を併記しているようです。第3次中間報告はまだアップされていませんね。去年の第2次中間報告のPDFはこれです。理念的な記述が多いのはいいですが、細部の議論はつめられていないように見えますね。特に財政の部分。地方交付税交付金と国庫支出金の体系をどうするのか、プロの財政学者の意見を伺いたいところです。今度の報告では区割り案も含まれているようですが、前にも書いた通り、区割りの話は人々の関心を集めやすいだけに紛糾しがちであまり実があがらないうらみがありますので、北海道や九州などパイロット地区を定めて推進してしまうのが早いような気がします。ネットで調べた限りでは、九州が一番進んだ議論を展開していますね。地方からの議論がもっと盛んになることを期待しております。

追記
投稿した先から当面見送りとの報せ。「当面」ですから可能性はまだあるのかもしれませんが、中国世論の反応を探る意味合いもあってのアナウンスだったのかもしれませんね。6月中に例の防衛交流の一環で海自が訪中する予定ですし。

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