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やっぱり代弁人でしたよ

最近のBSE問題を含めた現政権に対するデマ騒動はかの国の情報に対する極度に政治的な態度を示しているように見えます。あんなデモ日本では起きないだろうという点では確かにかの国の土地柄を忍ばせるものがありますが、やはり日本でもネットや週刊誌やワイドショーを中心になにかあるたびに大量の色つきの情報やデマが出回る構造がある訳です。これに対して徐々に山が動くというような静かな反応の仕方は確かに違いますが、真よりも善を優先するかのような情報に対する態度には共通する部分が大きいような気がしてきます。まあ全世界そうだと言えばそうなのですが、ただ情報を通じた権力ゲームの作動の仕方がなんとなく似ているように感じられます。なお既にタブー化しているように見えますが、日本のBSE問題はどうなるんでしょうかね。

ところで、この記事ですが、
「北の代弁人」に転落した日本の左派知識人[朝鮮日報]
死んだ犬を叩く趣味はないのですが、最後の部分は現在でも妥当する話ですから引用しておきましょう。

こうした日本の左派知識人には、最低限の徳目である「事実確認」と「実証的態度」が欠如しており、実体と経験に全く根拠を置かないまま「北朝鮮=善」という単純な論理をそのまま表に出していた、と本書は指摘する。それは、知識人自身の感情を満足させるための虚勢と自己欺瞞の結果だった、というわけだ。

「事実確認」と「実証的態度」を欠いた政治的言説は、右派的なものであれ左派的なものであれ、決して信用してはならないというのは、冷戦時代の不毛なイデオロギー闘争が残した唯一の─平凡かつ当たり前過ぎる─教訓なんだろうと思います。ちっとも進歩していないように見えるのが切ないところですが。勿論この批判は韓国の左翼知識人にもそっくりそのまま妥当します。嫌韓派の方々におきましては不愉快だろうと存じますが、韓国を見ているとまあなんと似たような国がお隣にあることよという感想をもつことがやっぱり多いですね。現実と相即した柔軟性のある理念をベースにした実証主義的かつ実用主義的な政治的言説が左右両方面から沸き起こってくることを願っています。

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政治」カテゴリの記事

コメント

朝鮮日報などの韓国の保守系新聞にしても、歴史問題では日本の左派知識人の主張をほとんどそのまま取り入れているので、この記事は自分のことを棚に上げているんじゃないかと、突っ込んでみたくなりますね。w

韓国のろうそくデモは、当初はデマに動かされた中高生中心だったのが、今では労働組合や学生団体という定番のメンバーに入れ替わってしまい、すっかり過激化してしまいましたね。李明博大統領も就任早々こんな事態は予想してなかったでしょうね。

まあ、確かに怪しげな情報や報道が政治に影響を与えてしまう構造は、日本にもあるわけですが。安倍政権なんて、その最大の被害者だったのでしょう。

投稿: Baatarism | 2008年6月 2日 (月) 22時39分

韓国保守派というか朝鮮日報の歴史問題にたいするスタンスはひどく判り難いですね。韓国左翼史学を叩き、ニューライト運動に色目を使いつつも、都合のいいところは日本左翼に寄り添ったり。この辺のご都合主義も日本に似ていると言えば似てるかもしれません。ただ日本の左派への幻滅が広がってくれるのはいいことです。中国ももう見捨てたようですしね。

日本の左派が韓国ナショナリズムを支え、韓国の脱ナショリズム派が日本の右派を支えるという奇妙なたすきがけの構図の中でずいぶんひどいことになりましたが、この構図も少しずつ変化しているような印象もありますね。最終的には言論界や学会の世代交代が進まないと駄目なんでしょうけれど。

組合や学生運動がまだまだ元気なのでちょっと前の日本と言ったほうがいいかもしれません。ただデマを飛ばしつつ不毛な内輪もめばかりしている点は似ているような気がしてきます。日本が共和制になったらあんな感じになってしまいそうです。

私は個人的にあまり評価してなかったですが、安倍政権は本当に悲惨でしたね。なにもあそこまでというぐらいの叩きでした。小泉政権の時もたいそうな情報戦になりましたが、なんとか乗り切ったのは、最終的には国民の支持があったからなんでしょうね。

投稿: mozu | 2008年6月 2日 (月) 23時56分

そもそも「世界」は日本に亡命してきた反・朴の韓国知識人にミスリードされて、ああいった論調になったわけで、しかも、朴・全時代に行った日本による経済支援を完全に「軍事政権との癒着」みたいな感じでネグレクトしておきながら、一方で「韓・日両民族の和解にはまったく役に立たなかった」なんて評価はいかがなものか、と思いますね。それが韓国、といってしまえばそれまでですが。

でもこの「T・K生」問題の真の負の遺産は、日本の知識人がアジアの人権や民主化問題に対して、懲りてしまったことだと思います。チベットや北朝鮮や中国の人権問題は右派メディアでしかのらなくなり、彼らが興味をもっていないビルマや中央アジアの問題は完全スルーになってしまいましたから。

安江元編集長はこうして死後も日韓の両方で叩かれ続けているわけですが、それにもかかわらずいけしゃあしゃあと日韓関係を論じてる池明観氏も食えないお人ですね。

投稿: Aceface | 2008年6月 5日 (木) 13時17分

恥ずかしながら、T・K生=池明観というのは知りませんでした。「これはひどい」タグをつけたくなる話ですね。なんだか韓国関係はこんなのばっかりでいやになります。ただ「世界」の問題を別にしても、親北というのは左翼の中でムードとしてずいぶん続いていましたね。親がそっちなもんで他人事ではなくよく判るのですが。

人権問題に関してはAcefaceさんのおっしゃる通りだと思います。ただいろいろあったにしても最終的には勇気がなかっただけじゃないかと私は冷ややかな評価になりますね。だいたい今なんで右派に人権カードを奪われた状態で固まっているのでしょう。本気で前に進む気はないのでしょうか。もうほとほと愛想がつきたので知るかと言いたいところですが、まともな左派がいないのは日本にとって不幸だと思います。

投稿: mozu | 2008年6月 5日 (木) 15時31分

池さんの本はほとんど読んでますが、年を経るごとに「なんだかなあ」感が募ります。

金大中時代に対日関係の大統領顧問に就任したんですが、日本文化開放をいやいや担当させられてしまい、一モメあったようです。

その一モメというのが深キョンとウォンビンが2002年に競演”した日韓初合作テレビドラマのFriendsなるドラマが原因でした。
設定も深キョンとウォンビンが、日本でも韓国でもない第三国の香港で偶然出会い、双方がつたない英語で会話するという製作サイドの涙ぐましい努力が伺える代物でした。

ところが、池先生いわく、「このドラマはケシカラン。セリフの半分が日本語だ。」とのこと。日本側の製作カウンターパートがフジテレビというのもお気に召さなかったらしく、なんでも「フジ・サンケイグループは日本反動右翼の拠点で、そんな会社に韓国進出を容認するのは、第二の文化侵略だ」なるご発言もされ、一時、大統領顧問の辞任も示唆するとのドタバタがありました。

事前に企画段階から韓国政府筋には話を通しているはずだし、共同制作をフジ以外にする選択はいくらでもできたはずなので、何をいまさら、と思いましたが、まあこれも世論の風向きが怪しくなったときのリスクヘッジとしてのアリバイ作りなのかな、と。

まあ、亡命者というのはしたたかな処世術を身につけないと異国で行きぬけないのでしかたがないとも感じましたが、イラク戦争もイラク人亡命者のガセネタから始まったこともありますし、なんらかの形で、TK生の言論責任を総括したほうがいいと思いますね。

投稿: Aceface | 2008年6月 5日 (木) 20時52分

Acefaceさんからじゃないと聞けそうもない貴重なお話ありがとうございます。なるほどTK生問題というのはとても範例的で非常に重要な問題を含んでいますね。ただここで萎縮せずにこの問題を総括した上で今後の教訓としていかして欲しいものだと思います。左派のみならず右派にとっても重要な教訓になるでしょう。最近のなんだか狂い咲きと言いたくなるほど冷静さを欠いた様子を見ていると、自分のこととして受け止めるだけの余裕と知性があるかどうかは疑わしくなりますけれども。

投稿: mozu | 2008年6月 5日 (木) 21時56分

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