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waiwaiの閉鎖について

どうやらwaiwaiは閉鎖ということになったようですね。この件でずいぶん引用されたりリンクされたりしているようですので、改めて一言だけ書いておきましょう。既に以前のエントリで示したように、大手の一流とされる新聞が実話系の根拠の薄い(というかほぼ虚構ですよね)週刊誌の記事を面白可笑しく掲載しているのはメディアのタブロイド化が進んでいる昨今にあってもやり過ぎだろうというのが私の考えです。それはこれまで毎日新聞が築いてきた信頼を失わせる行為であり、いくら客商売だとは言ってもそんな醜悪な姿は見たくはないと。したがって今回の閉鎖の決断を歓迎します。

というのも私は毎日の読者であった期間がけっこう長かったのでそれなりに愛着があるからです。ここは元から毎日を嫌っていた人とはやや違うところです。右だの左だのにほとほと嫌気がさしていた頃にどちらの論調も入っていて記者さんの自立性が高い新聞として重宝していました。私が毎日を離れたのはその経済論調に反発を覚えたからでありまして、いろいろな論調があって全体としては良識的で穏健な中道左派ぐらいのポジションを占める新聞を目指して活躍していってもらいたいなと個人的には願っています。まともな中道左派が政治勢力として弱いのは日本の不幸だと思っていますので。関係ないですが、どうして日本の左派メディアは経済学的にはリベラルではなく保守なんでしょうかね。

反waiwaiの動きについては、ある程度は予想されたことですが、途中からいろいろな別のアジェンダが絡み合ってきてどうもまずいなという印象を持っていましたので、空さんと同じく、まとめサイトの管理人さんが目標を達成した時点で終了宣言をしたことを評価したいと思います。抗議もやり過ぎたり、やり方を間違えた場合には逆に望まない結果を生むというのはよくある話です。感情論としては判りますが、人種の問題などはやっかいですから入れないほうがいいと思います。またこれが右翼的アジェンダになるのは望ましくない。日本の排外主義みたいな角度でとり上げようとする人もいますからね(残念ながらそういう反応が出ているのも事実なんですが)。歓迎してくれている在日外国人の反応もありますが、既にいくつかの英語のサイトでそういう意見も目にしました。なお英語圏での受容ということで言いますと、waiwaiおよびその関係者を嫌悪し、批判する人々、ネタとして楽しむ人々、無邪気に信じる人々、これを利用して日本叩きをする人々といましたが、それぞれがそれぞれの仕方で受容していた訳で悪質な人々ばかりでないことは知っておいたほうがいいでしょう。

なおこの問題は広く言えば偏見の問題にもつながる訳ですが、これは複雑で根の深い問題ですから抗議の仕方を間違えた場合には逆効果になる可能性が大だと思います。またこうした問題に日々直面しなくともけっこうのほほんと生きていけるという点で日本人はかなり恵まれた地位にいるんだという点も忘れてはならないでしょう。不快な時に不快だと言うのは正しいですが、変な被害者感情を持つのは正しくない。ともかくこの問題はあくまでも報道のルールや倫理の問題として扱うのが賢明だろうと考えます。虚構を報じてはならないなんて当たり前の話ですよね。それだけです。とはいえなんだかこれでは済まないような予感もしないことはない。はっきり言えば、街宣車が出てBBCが報じるみたいな黄金パターン(笑)は望ましくないわけですよ。というわけでそちら方面の方々におきましては何卒ご自制なさるようよろしくお願いします。思う壷です。

ところで別のmozuさんをたまに見かけるのですが、まぎらわしいですからしばらくはmozu@に名称変更して様子を見てみたいと思います。@がないのは別人です。どうぞよろしく。

追記
いささか微温的なエントリにしたのは激烈すぎる反応をあちこちで目にしたからでしたが、どうも毎日新聞の対応を見ているに事態の深刻さを理解していないのではないかという疑念も湧いてきます。いいですか、毎日さん、ここで編集体制のいい加減さを本格的に見直さなければ復活はないですよ。優秀な記者さん達もこの件を深刻に受け止めて動いて下さいよ。なお「イデオロギー抜き」のルールを守った草の根不買運動でしたら声援を送りたいと思います。少しは緊張感をもってもらうためにもいい刺激になるでしょう。

再追記
どうも一度ついた怒りの炎が、毎日側の対応のまずさもあってなかなか鎮火しないようですね。上にも書きましたが、無軌道な抗議は自分の首をしめることにつながります。感情的には判らなくもないですが、瞬間的な盛り上がりで無責任な行動をとるようでは正当性を掘り崩すだけですよ。といっても無理なのかなあ。それがネットというメディアの特性なのだとしたら不可避的なものなのかもしれませんが、どうもネット初の動きはなかなか成熟しないようで残念です。ともかく自制的に行動したほうがいいですよ。

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コメント

街宣車なら出てくるんじゃないですか?
もともと右翼の評判を落とすために作られた同質の組織ですし
騒ぎが収まらないのならばパターンにはめようとするでしょう

投稿: ME | 2008年6月26日 (木) 11時34分

街宣の人達には本当に困ったものです。少しは愛国者らしくふるまってほしいんですがね。

投稿: mozu | 2008年6月26日 (木) 12時52分

あの程度の謝罪で終わりってのはあんまりだと思う。
・1面での経緯説明と謝罪もない
・記者会見もない
・加えて、テレビや他の新聞も取り上げもない(話題になってるのはネット上だけ)
他業種や政治家の問題は新聞もワイドショーも散々取り上げるくせに。
分かってはいたことだけど、日本のマスメディアの自浄作用のなさにがっかりです。

投稿: | 2008年6月26日 (木) 22時34分

毎日の小手先の対応もですが、同業者間の相互批判が弱いのは困ったものですね。これでは業界全体がゆっくりと腐っていく。となると国民が声を挙げて圧力をかけていくしかないわけですが、どうもネット初の動きはナイーブに過ぎますね。一過性の盛り上がりで言葉ばかりが過激になって一般の人を遠ざけてしまう。なかなか成熟しないなあと残念に思います。

投稿: mozu | 2008年6月26日 (木) 22時57分

ネットの「祭り」がリアルに炎上した韓国・抗議デモの事情
ttp://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT13000001072008

お隣の国の例ですが、これは行き過ぎですね。デマなんかも飛び交ってるみたいですし・・・

外国人経済専門家ら、不法デモで韓国投資に否定的
ttp://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2008070187278

で、悪影響も。

投稿: chobi | 2008年7月 2日 (水) 21時18分

この件ではデモはあまり有効でないように思えますね。石原莞爾流に言うなら「決戦戦略」ではなくて「持久戦略」をとるべきなんで。騒ぎたいだけの連中が別の話題に飛び移った後が本当の戦さの開始なんだと思いますよ。

追記
一応注記しておきますか。無茶しなさんな、やるなら地道にやるのがいいという意味です。

投稿: mozu | 2008年7月 2日 (水) 23時40分

コノイクサハ ケッセンセンソウ デハナクシテ ジキュウセンソウナリ。カタルシスヲ モトメントスルモノハ センジョウヨリタチサレ。デモハイラヌ。カクセイキモイラヌ。スミヤカニ シュフヲ チュウシントシタル センセンニ ハセサンジ マズ デキルコトヨリ ハジメヨ。ジキュウセンソウ ニオイテ ジュウヨウナノハ モラル・オーソリチー ト ガイコウテキコウショウリョクナリ。コレヲタイセツニ セヨ。

ナオ コノケンニカンスル コメントニハ モハヤコタエヌコトニシタノデ リカイサレタシ。

投稿: mozu | 2008年7月 3日 (木) 00時45分

ある程度は騒がないと黙殺されて終わりですし
街宣やデモは労働争議とかの二の舞でしょうけれども
南京もどうにかなったのは国内だけで
外国にはろくな影響を与えられていません
今回の報道は歴史問題とは違い
海外の邦人が実害を被る可能性のあるものです
暴動が起きたときなどに日本人が優先的に
狙われるような事態は避けたいですし
あまり悠長にできる話でもないと思っています

投稿: ME | 2008年7月 7日 (月) 12時35分

もうコメントには答えないと書きましたが、答えたほうがよさそうなコメントには返事をしたいと思います。

邦人の安全という点で必ずしも緊急性がある話だとは思っていません。グアテマラだかエクアドルだかの話は別にして。ただ毎日新聞英語版には変なステレオタイプをつくるような誤情報を発した以上はこれを打ち消していく義務があるとは思います。またいい加減なチェック体制というのは私の見る限り毎日の体質でこれがいろいろな問題を起こしてきた以上は目に見える改善をなすべきだと思います。

想像される「負け」の形としては、騒ぎたいだけの人があちこちに迷惑をかけて「ネットの悪」として糾弾されるようなパターン、街宣車が出てきてそれが国際ニュースになって言論の自由の危機などと報じられるパターンの二つです。これを避けるためにはどうすべきかという点を常に念頭において行動してほしいのです。

そのためには一般の人達に変な連中が騒いでいるだけだと思われないような、また日本のナショナリズムの高まりみたいな報じ方を海外メディアにされないような説得力のある言葉を使わないといけないし、責任ある行動をしないといけない。

大切なことはこの象徴的な事件を契機にメディアのあり方が再考され、改善されていくというような生産的な方向に進めることで、毎日を潰せ!というような単なる破壊主義に走ってほしくないわけです。なにかよき結果を残さないといけない。じゃないと同じ事の繰り返しです。

ひどく生ぬるく聞こえるとは思いますが、まあこういう意見もあるのねぐらいに受け止めてください。

投稿: mozu@ | 2008年7月 7日 (月) 14時11分

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