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始まってしまった

以前アブハジア情勢についてメモ的なエントリを書きましたが、ついにグルジアとロシアの緊張が武力行使事態にまで展開してしまった模様です。この間、両国の間で小競り合いが続いていたのは一応フォローしていたのですが、このタイミングでの急激な展開はやや意外でした。この対立ですが、ロシアがアブハジアと南オセチアの独立運動を煽動して内政干渉し、西側(つまりアメリカ、欧州は優柔不断)の支援を受けるグルジアを撹乱しているというのが基本的な構図になります。ロシアの支援を受けるアブハジアも南オセチアも国際的な承認がないまま事実上の独立状態になっています。このたび問題になっているのは南オセチアのほうですが、北の方のオセチアでかつて惨たらしい事件が起こったことは多くの日本国民の記憶に刻印されていることでしょう。

グルジアが南オセチアを攻撃か、露テレビ局が伝える[AFP]
ロシア戦闘機がグルジアを空爆、安保理会合は決裂[AFP]
南オセチヤ情勢緊迫、グルジア軍進攻に露軍が空爆か[読売]
グルジア、南オセチアに開戦 露と本格戦争の懸念拡[産経]
事態はAFPや各社の日本語ソースでおおよそ掴めます。8日未明にグルジア軍が南オセチア自治州に侵攻を開始し、州都ツヒンバリを包囲し、空爆と戦車による攻撃を加え、これに対してロシア軍機がトリビシ近郊のグルジア空軍基地を爆撃、さらに同自治州に戦車、装甲車部隊が侵攻を開始した模様です。オリンピックの開会式に各国首脳が集まるタイミングでのグルジア側の侵攻作戦に対して、プーチン大統領が報復の可能性を示唆し、ロシアの要請で国連安保理の緊急会合が開催されたものの決議は採択されないまま、「自国民保護」の口実の下にロシアの侵攻がなされたというのがここまでの経緯のようです。南オセチアに駐屯しているロシアの平和維持部隊、グルジア軍、さらに南オセチアとグルジアの民間人の死傷者が多数出ている模様です。NATO、アメリカ、欧州連合が停戦の呼びかけを発したようですが、このまま本格的な戦争にまで発展するのか、停戦に向かうのかは現在のところ予断を許さない状況のようです。ふう。まさかオリンピックで仕掛けるとは想像していませんでした。本当になにが起こるのか判らない五輪ですねえ。

ルワンダ大虐殺にフランス政府が加担、ルワンダ政府が報告書[AFP]
フランス政府、ルワンダ大虐殺への加担を否定[AFP]
またフランスとルワンダの間では非難の応酬がなされているようです。キガリ政権が1994年のジェノサイドにフランス政府が積極的に加担したという報告書を提出し、これに対してフランス側がその信憑性に疑義を呈し、「受け入れ難い」主張であると非難したということ。両国間の諍いですが、突然始まったものではなくしばらく前から続いてきたものです。2006年にフランスの司法当局がハビャリマナ大統領搭乗機撃墜事件(ジェノサイドの発端とされる)について当時反政府勢力の指導者だったカガメ氏(現ルワンダ大統領)が指揮したと認定し、国際手配したのに対して、ルワンダが反発し国交を断絶したという経緯があります。ルワンダは長らくフランスの同盟国だったのですが、この国交断絶以降は反仏的な運動が高まっていました。だいたいこういう政治的文脈の下にこの報告書の発表が置かれています。

この長大な報告書ですが、ここのサイトでDLできます。報告書の内容の信憑性についてはコメントしませんが、ルワンダのジェノサイドに関してはフランス側にも一定の責任はあるだろうと個人的には思っています。この報告書が主張するような直接的加担があったのかどうかは別にしても、少なくともネグリジャンスの罪とジェノサイド認定をめぐる不毛な議論のせいで介入を遅延させた罪はあるでしょう。それが法的責任になるのか政治的責任になるのか道義的責任になるのかはよく判りませんが。ただ他人事にしないために例えば日本が国連平和維持活動でスリランカ情勢に今以上に深くコミットしてこういう惨劇が生じた時にどうするのかみたいな想像力の働かせ方はすべきかもしれません。日本とスリランカの関係は歴史的にさほど深くないのでいい例ではないのですが・・・。まあフランス政府は絶対に謝罪しないに5コペイカ賭けておきます。フランスのアフリカ関与については言いたいことがたくさんあるような気もしますが、ここでは止めておきたいと思います。

追記
ここでスリランカを出したのはやはりまずかったと思います。ただ日本国国民の一人という場所を踏まえると私には批判するにしても幾分かの恥の感覚がともなうんですよね。そういう感覚のない人には意味不明だと思いますが、ともかくそれでいささか不適切な例を出してしまったんだろうと思います。はい。また恥ずかしい記憶違いをしていましたので修正しておきました。勘違いのまま走ってしまう癖はどうにも直りませんねえ。

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投稿: SharpDianna19 | 2011年8月 6日 (土) 00時27分

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