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サンにはサンの「道」がある

きのこの美味しい季節ですね。あまり真面目なことを考えられる心境でもないので日本関連ニュースとしばし戯れたいと思います。

"Democratic pretension vs. airs of entitlement" by Hiroaki Sato[Japan Times]
「イルカ」と「強制連行」が目玉のジャパン・タイムズですが、この記事はある意味典型的に思えましたので紹介します。柔道の金メダリストの石井選手の「天皇陛下のために戦いました」発言から唐突に三島由紀夫と軍国主義をめぐるいかにも外国人向けの皮相なおしゃべりへと飛躍し、最後はアメリカ大統領の君主的性格を語りつつ民主政の困難に思いを馳せてみるという前後の脈絡の不分明な文章であります。枕だけにしておきますかね。石井選手がどういうキャラクターでこの発言がどれほど不敬な響きを持っているのか判らないようですね。三島由紀夫も草葉の陰で泣いているでしょう。つまりあなたの認識の正反対です。というわけでスタート直後での大転倒、立ち上がってよたよた走り出してみたもののあさっての方向に向かってしまってゴールは出来ずといった走りでした。次回はまっすぐ前方を見てゴールを意識しながら走ることをおすすめします。ところでデスクはチェックは入れないのですかね。

"Japan hangs two more on death row"[BBC]
もはや日本で死刑が執行された時にはBBCがすべて報じてくれるというありがたい仕組みが出来上がっているようでなによりです。私自身のこの問題に対する考えはここでは開陳しないことにします。この記事で特筆すべきは麻生首相がカトリック教徒である点の強調ですかね。写真の下にもわざわざキャプションがついています。教皇猊下は死刑に反対しておられますよと。都合のいいときだけ権威を利用するとははさすがですね。ちなみにBBCさんは就任以来この点を盛んに強調するのでありますが、勿論ここはイギリスではないのです。ブレアがカトリックに改宗した、ふーん、それで?、の国なのです。私個人は英国カトリック史には非常に興味がありますけれどもね。ふふふ。日本ですけれども、どうやら宗教的信念を政治に持ち込まず、善政をなしている限りは、首相がなに教徒でもさほど気にしない(あるいは儀礼的に無視する)人が多い国のような印象を受けますね。印象ですけれどもね。

"North Korean leader 'in hospital'"[BBC]
"Pulses race in Pyongyang"[Asia Times]
キム・ジョンイル氏の病状に関するニュースが世界を駆け巡っていますが、やはり日本には北朝鮮に関するインテリジェンスはあるのですね。どこ発の情報なのか知らないのですが、この記事だとフジテレビになっていますね。ふーむ。フランスでもこの話はけっこう大きく報じられています。普通に考えるとテロ支援国家指定解除との関連を想定したくなりますが、そういうことでいいんでしょうか。どうやら情報戦の最中みたいなので判断は保留しておきますが、いずれ舞台裏が明らかになる日も来るのでしょうかね。

"Plus ça change..."[Observing Japan]
ハリス氏の政局ネタ。民主党は総選挙を求め、自民党は国際的危機を理由にこれを遅延させる。自民党は民主党を国よりも政局を優先していると非難し、民主党は世論を意識しながら政府と時に協力し、時に反対すると。タイトルの「変われば変わるほど・・・(変わらない)」というのは今の政局が福田政権の序盤とまったく同じ構図であることを指しています。この金融危機は自民党にとっては天の助けとなりそうな予感がします。いろいろ書いてはいますが、経済の見通しについてはさほど悲観的ではありません。しかしいったいいつになったら政権交代のチャンスはやってくるのでしょう。民主党はどんどん魅力に乏しくなっていきますしねえ。困ったものです。

"Heroes""Instant Karma"[Shisaku]
ホテルのバーだのカップラーメンの値段だの「庶民感情」からの乖離ネタが日本のメディアでは流行っているようですが、幸福な国だなあとしみじみと思います。グローバルな阿鼻叫喚の中にあってやはりのほほん教徒の国ですね。いいえ、これは本当に日本の強さだと思うんですよ。ところでジャコバン派の記者が「庶民」であろうはずもないことぐらい当の「庶民」が知らないとでも思っているのでしょうかね。また隣家の庭の小さな変化は気になっても一国の宰相の小さな贅はさほど気にしないのがいわゆる「庶民」らしいあり方のような気もしないではありませんが、あるいはジャコバン派には気にいらない認識なのかもしれません。私はアカの家の出なものでこのあたりの自己欺瞞には幼少時からとても敏感なんですね。ちなみに私はカップラーメンの値段を知らない麻生氏は嫌いではないですが、秋葉原で媚びを売っている麻生氏はあまり好きではないです。コメントは別にShisakuさんに向けたものではないです。

"Exclusive: Killer of Lindsay Hawker, teacher buried in bathtub, 'commits suicide'"[Times]
"Sympathy turns to scepticism as courtiers whisper princess does not do her duty"[Times]
パリー氏が日本に戻ってさっそく飛ばしています。あのー、この人のソースは週刊誌と2chみたいですのでこれをネタにwaiwaiしてもあまり意味ないと思いますよ。縦を横にしているだけです(本人は日本語読めないようですが)。ちょっとシニカルな味付けをして一丁上がり。楽な商売ですよね。それにしても市橋容疑者自殺断定報道は飛ばしましたね。警察の否定を受けて本人はブログで言い訳をしているようですが。それとどうでもいい話ですが、タイムズが「高級紙」である点を妙に強調して報じているのにはやや違和感があります。いったいいつの時代の話ですかね。俗に「東スポのほうがなんぼかまし」という言い回しがありますけれども(ない)、こういう中途半端な新聞よりはサンのほうが潔いだけなんぼか好もしいですね。

それではみなさまも秋の深まりを楽しみましょうぞ。

追記
ジャパン・タイムズのエッセーですが、本当を言うと、私を苛立たせたのは石井君の話ではなくて三島由紀夫と久野収の粗雑な扱いです。どちらももっと複雑な人達であってこういう平板な図式に収めるべきではないと思うのです。左派は平板な市民派のイメージから離れて久野収をちゃんと読むべきだと思います。この人の右翼認識はなかなかのものです。だいたいこのエッセー、英語圏の三島幻想に媚びているのが不快なんですよ。三島氏の思う壷ではないですか。言っている意味わかりますかね。

また「庶民感情」の話は左派メディアばかりでなく右派メディアも騒いでいたのですね。ふう。こちらは松平定信症候群でしょうか。どちらにしても政治家に過度な清廉潔癖を要求する風潮は好まないですね。青年将校を焚き付けていた頃から進歩がないです。だいたい景気後退なんですからお金持ちのみなさんに消費していただかないと我々も困るではないですか。

なにを思っていたのか、タイムズを「雑誌」と書いていましたので直しました。ところでパリー氏はわりと人気者(?)なのですねえ。まあ言い過ぎだとは思いますが、ここしばらくのタイムズには苛立たされる傾向があるのですね。欧州ネタはまあいいんですけどね。

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