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操縦士のいない飛行機

日経平均終値、952円安の9203円 下落率は過去3番目[日経]

8日の東京株式市場で日経平均株価が急落し、終値は前日比952円58銭(9.38%)安の9203円32銭と、2003年6月以来5年4カ月ぶりの安値になった。下落率としては1987年10月のブラックマンデー(14.9%安)、1953年3月のスターリン暴落(10%安)に次ぐ過去3番目で、下落幅は過去18番目。

スターリン暴落ですか。と言われてもイメージが湧かないのですが、バカヤロー解散の年ですよね。えーと、どの程度の信頼性があるのかは判りませんが、この電通の広告景気年表によると、バカヤロー発言が2月28日、スターリン死去の報に続く株式大暴落が3月5日、衆議院解散が3月14日、左派社会党が躍進した総選挙が4月19日となっています。政局の混乱ぶりという点ではパラレルな感じもなくはないですね。それはともかく今株価や円高でwaiwaiする気にはなれないですね。スペクタクルとしてはすごいですけどね。

米欧6中銀が協調利下げ、政策金利0.5% 中国も同調[日経]
日銀は我が道を歩むようで漢ですね。流動性供給などで対応すると。もう少し積極的に動いてほしいのですが、もうこの際、利上げさえしなければいいや、とかなげやりな気分になってしまうのは期待値が低過ぎるからなんですかね。いや、こんな状況で上げろとか言っている政治家がいたりしますからまさかと思いつつもですね、不安になるじゃないですか。この記事ではミスター・ヤマザキが円高が急激に進んだ場合利下げするかもと言っていますが、どうなんでしょうねえ。

"The Japanese are coming (again)"[Economist]
日本企業によるM&Aの話です。金融危機の中で世界的にM&Aが減少する中にあって日本が例外的に活発に動いていることはよく話題になっていますね。この記事によると、取引件数は昨年より少し多い程度ですが、取引のバリューでは2倍以上だそうです。1980年代の不動産、1990年代のテクノロジー関連の投資はひどい結果に終わったわけですが、第三波にあたる今回は違う結果になるかもしれないといいます。このたびは新テクノロジーや市場へのアクセスなど戦略的なターゲットを選んでいることを理由にあげています。日本企業は60兆円もの資金を持つキャッシュ・リッチであって自国では経済減速や買収嫌いの文化風土や人口減少に直面して海外で活動を展開していますが、現在はライバルが少ない状況で成功しているとしています。多くの企業の株価が下落し、対ドル対ユーロで円高であることもありますが、なによりも海外展開の必要性について長年議論してきて日本企業がこの悲惨な現状を理想的なチャンスと感じているという事実にこの動きの主要因を求めています。かつてとは異なり日本人は海外企業によいオーナーとみなされているそうですが、それは日本人が長期投資をする傾向があり(プライベート・エクイティー・ファームと違って)、営業成績もよいからだとしています(中国や湾岸諸国と違って)。既存の経営陣が離れないようになんでもやるという評判もあるようですね。こうした取引はラッシュというほどではなくとも今後も続きそうだとしていますが、日本のボス達はこのチャンスがほとんどビジネス上の達成によるものではないと考えたがるかもしれないといいます。というのも日本企業がうんざりするほどの使えない資本を抱えているのは企業統治や財務管理がpoorだからだと。はい。幸運が海外雄飛の機会をもたらしたわけですが、購入したものを経営する知恵とスキルが必要になるでしょうね、というように、今度はなかなかよくやっているが、知恵とスキルが必要になるよというご忠告です。足場づくりの時期なのでしょう。この幸運を次の展開につなげられるといいですね。ただ国内投資の仕組みもうまくつくってほしいものですね。

以下、欧州関連です。
EU、預金保証を2.5倍に増額 危機対応の「共通原則」で合意[日経]

欧州連合(EU)の加盟27カ国は7日の財務相理事会で預金保険制度の拡充を決め、EU規定の保証限度を現行の2.5倍の5万ユーロ(約700万円)に増額した。これを受けてスペインやオランダが独自に保証限度を10万ユーロに引き上げるなど、EU各国が預金保険制度の拡充で預金者の動揺を抑える動きを強めている。EU加盟国は初めての具体的な危機対応となる「共通原則」で合意。EUの足並みの乱れで金融市場が混乱したのを踏まえ、政策調整を強める。

預金保証限度額の引き上げ措置でようやく欧州の政策協調の流れが出来つつあるようです。とはいえかなり各国のフリーハンドを残した内容になっているようですね。この記事にある共通原則ですが、コレですね。7原則というのは以下です。

We agree on EU common principles so as to guide our action:
- Interventions should be timely and the support should in principle be temporary;
- we will be watchful regarding the interests of taxpayers;
- existing shareholders should bear the due consequences of the intervention;
- the government should be in a position to bring about a change of management;
- the management should not retain undue benefits -- governments may have inter alia the power to intervene in remuneration;
- legitimate interest of competitors must be protected, in particular through the state aids rules;
- negative spill over effects should be avoided.

"La baisse des taux : trop peu, trop tard ?"[Le Monde]
米欧協調0.5%利下げですが、ル・モンドのこの記事はtrop peu, trop tardつまりtoo small, too lateなのではないかという意見ですね。確かに協調姿勢を示すという点においてはメリットがある。飛行機に操縦士がいるのだと示すために。しかしこの程度の利下げで喜んでマネーが動き出すわけはない。とりわけECBがインフレを理由にここまで利下げを渋ったのは正しかったのかと。まあ現状を見渡す限りはそういう意見になりましょうね。利上げした時はこれが噂のENA経済学の真髄かとシビれましたけれども(いえ、冗談です、やばいと思いました)、セオリー通りだとか支持する声がけっこう大きかったですよねえ。ル・モンドは批判する側にいましたかね、あの時。ともかく飛行機に操縦士がいる感覚を与えるというのは大切なことなんですよね。で、日本国民はそういう感覚を失っているように感じられるのですね。

以下スペイン関連です。
"Confusion hampers Italy and Spain efforts"[FT]
時系列的に順序がおかしくなりますが、火曜に戻ります。金融危機に対する対応が欧州協調なのか国別なのかで混乱している中でイタリアとスペインがもがいている件です。スペインの高官達は欧州連合の協調的な対応をこれまで主張し、アイルランドとドイツの預金保護措置を批判してきたわけですが、「ドミノのようだ」「今や皆が同じようにしなくてはならなくなる」とのこと。サパテロ首相は月曜にスペインの銀行頭取達と会議をし、金曜にはサルコジと会談する予定で、一方ベルルスコーニ首相も月曜夜にメルケル首相と会談したといいます。土曜のG4サミットでベルルスコーニ氏はイタリア市民の預金保護をすると述べたそうですが、今のところこの談話は実際の政策には移っていません。氏も危機への欧州的な対応を支持してきましたが、月曜には国別対応に切り替えたようです。スペインはこれまでサブプライム危機の直接の影響を回避してきましたが、銀行は不動産市場の崩壊に続く不良債権の増加に喘いでいるところです。またイタリアの銀行、特にウニクレディットは危機の打撃を受けていますが、週末にはウニクレディットは緊急取締役会議を開いて資本増強措置をとることを公表したといいます。

"Spain announces emergency fund"[FT]
それで火曜日にはスペインが銀行資産の買い取りによって金融システムに流動性を供給するために300億から500億ユーロからなる緊急のファンドを立ち上げるという措置を宣言しています。サパテロ首相によれば、このファンドはインターバンク取引の停止により資金を渇望する借り手に対して貸し付けるためのものであるといい、銀行預金の保証額についても2万ユーロから10万ユーロへと5倍に上限を上げることに決定した模様です。このファンドの詳細は金曜の閣僚会議で具体化されるといいますが、スパイン財務省が金融機関の資産を買い取る仕組みのようです。このアイディアは自国の金融システムを救済ないし健全化するためのものではなく(危機にもかかわらず銀行には支払い能力があるといいます)、経済活動や雇用創出が続くように企業や個人に資金を投入するためのものであると首相は強調している模様です。またこのファンドは欧州中央銀行の毎週のファンディング・オークションを補完するもので、「悪性の資産ではなく健全な資産」を買い取るものとしています。上の記事にあるようにスペインは欧州協調のアプローチを求め、ドイツやアイルランドのような抜け駆け的動きを批判してきたのですが、火曜に政府は他の国の列に加わってスペイン独自のプランの策定を決定したことになります。欧州のガイドラインに沿うものであると述べてはおりますが。次はイタリアがどのような動きをするのか目を離せませんね。変な予言家みたいにはなりたくないのですが、震源地になり得るのはアイルランドかイタリアかというのは随分前からの予感なんですよね。

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コメント

このところ、アイスランドを見ていました。アイスランドは今年に入ってから金融機関の経営悪化が深刻化し、今では金融機関の負債が、アイスランドのGDP(約1兆6000億円)の12倍に達したため、通貨を固定相場制とし、銀行を全て国有化したそうですが、其処まで悪化した原因が、レヴァレッジ投資としか判りません。
もし、原因をご存知なら、如何してこうなったのかご教授願えないでしょうか。

投稿: chengguang | 2008年10月10日 (金) 10時30分

アイスランドのことはFTやテレグラフの記事を眺めているだけで詳しいことは判らないです。要は漁業で食ってた貧しい国だったのが90年代になって自由主義的な経済改革とともに金融立国を目指して急成長し、すさまじい勢いでイギリスやらデンマークやらに投資をしたのはよかったが、このたびの危機でドボンというストーリーみたいですね。国民経済に対して金融部門の占める割合が異常に高いみたいです。おっしゃるようにレバレッジ投資の失敗とされていますね。不動産投資部門の失敗が大きいんでしょうかね。それで今なんだかイギリスとの間で外交戦争みたいなことになっているようです。金融頼みの先進国の失敗のひとつのモデルになりそうですね。

投稿: mozu | 2008年10月10日 (金) 22時22分

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