« 日本の反ユダヤ主義? | トップページ | ヤンキ-と私 »

テマルですか

フランス領ポリネシアでまたしても政権交代があり、オスカー・テマル氏が大統領に返り咲いたようです。なんだか訳が判らない展開ですが、個人的に目が離せないのでメモしておきます。

"French Polynesia elects president"[BBC]

パリの肝いりの中華系のガストン・トン・サン大統領が不信任決議の動きを受けて辞任し、選挙の結果、オスカー・テマル氏が大統領に選出されたということです。テマル氏は独立派の英雄的な人物ですが、ここ5年ほどで4度目の大統領就任とされます。簡単に振り返ると自治派のガストン・フロス氏の政権が20年ほど続いた後に、2004年にこれが破られ、その後、7回も政権交代が起こり、非常に不安定な状況が続いています。なお慣例に従ってpresidentを「大統領」と訳してますが、独立国家ではありません。それでパリとの距離をめぐって自治派と独立派の角逐があった訳ですね。ちなみにこれは2004年のテマル氏が大統領に就任した際のビデオです。http://www.youtube.com/watch?v=xEe-KMbPQZM

"Oscar Temaru élu à une large majorité président de la Polynésie"[Le Point]

それで今回の選挙では自治派がテマル氏の支持に回ったことが勝因であったとされます。この30年来の宿敵であるテマル氏とフロス氏の同盟は両者によれば「ポリネシア人がもはやパリから操作されることを望まず、自分達の運命を自分達の手に掴むことを決めた印」であるといいます。ポリネシア経済も世界的な危機の影響を受けて観光業が低迷している模様で、テマル氏は演説で一致団結して経済危機を乗り越える必要性を訴えたとのことです。これから議会の議長の選出と組閣、副大統領の選出がなされる予定になっているようです。

独立派と自治派と言いますが、両者の距離は徐々に縮まってきているとされます。テマル氏も性急に独立宣言をしないことを誓い、漸進主義的な独立路線に転換し、フロス氏もより高度な自治を目指す方向に転じているとされます。両者は政治的には宿敵ですが、私的には親友でもあるといわれていて、今回の選挙で両者が同盟し、テマル氏が2004以来初めて絶対多数を握ったのは大きな流れから見るとそれほど不自然にも思えません。前回の大統領選挙でトン・サン氏に対して両者が手を握った際には「不自然な同盟」などと言われていましたけれども。

"Une élection sans enthousiasme : réactions"[Tahitipresse]

地元紙の報道を見ると、今回の選挙は盛り上がりに欠けていたとされますが、インタビューなどを見ると、とりあえず絶対多数の安定政権が誕生したことを進歩と見たいと考えている人が多いのかなという印象を受けました。熱狂の欠如がなにに起因するのかの解説はありませんが、普通に考えて政権交代の頻繁さへの飽きと経済の低迷が最大の原因と考えてよさそうに思えます。

さて、親仏派のトン・サン氏の政権が倒れたことでパリとの関係が今後の焦点になってきそうです。フロス氏にせよテマル氏にせよ中央政府からはあまり好かれてはいない人物ですので。差し迫った経済の問題もあるのであまり激しく対立もできないでしょうねえ。ともかくこの政権で安定した統治が実現されるといいです。政情の不安定が経済に打撃を与えてきたと言われますから、まずそこからでしょうね。

それでは。

|

« 日本の反ユダヤ主義? | トップページ | ヤンキ-と私 »

その他」カテゴリの記事

フランス」カテゴリの記事

政治」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/507226/28025413

この記事へのトラックバック一覧です: テマルですか:

» ユーチューブ 日本語 [ユーチューブ 日本語]
ユーチューブ 日本語について紹介しています。 ユーチューブ 日本語のことなら任せてください。 [続きを読む]

受信: 2009年2月14日 (土) 14時17分

« 日本の反ユダヤ主義? | トップページ | ヤンキ-と私 »